ストリートピアノ「Play Me, I’m Yours」

 

高岡駅にお目見えしました。ストリートピアノです。

3月末に閉校した旧定塚小学校のグランドピアノが設置されたのです。

駅の南北自由通路なので、雨風には当たりません。

なんだかウキウキします。

 

このピアノは、1978年から使用されていたものです。

40年以上使われてきたものなのです。

私は想像を掻き立てられます。

親子2代、もしかすると、3代にわたって子どもたちがその音色を楽しんできたのですね。

音楽の授業、入学式、卒業式。毎年いろいろ使われてました。

思い出いっぱい、詰まっているのですね。

古いものですが、そんな風には見えません。

学校がきちんと管理していたのですね。

ありがとうございます。

私がきのう駅に出向いた時には、

男子中学生たちが楽しそうに弾いていました。,

これが日常風景になればと思います。

音楽あふれる街づくり。人の心を豊かにします。

コミュニケーションの手段にもなります。

 

さらに、古いピアノが再活用される点も大事です。

捨てずに、再活用する姿勢は、国際的にも重視されています。

日本では、昔から言われている価値観「もったいない」。

それは今や、世界をつなげる合言葉「MOTTAINAI」になっています。

環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、

ワンガリ・マータイさんが2005年の来日した際に

「もったいない」という言葉に感銘を受けて、

「MOTTAINAI」を広めたのです。

平米小学校と定塚小学校が統合されて新しく高陵小学校が誕生したのは4月1日です。

引越し作業を私は視察しました。

運び出される机やいす、行先の学校が表示されています。

「MOTTAINAI」という概念が学校関係者には浸透しているのです。

また、市民の間でも浸透しています。

統合直前の3月29日、あるピアニストの方は

ピアノが捨てられることに危機感を抱いていました。

「高岡市にストリートピアノを設置したい」

「統合で使われなくなったピアノを設置してほしい」と

私に伝えてきました。

私がこの日、すぐにこの方の意向を教育委員会に伝えたところ、

「検討中」という返事でした。

「検討中」が「実行」に移されたことは望ましいですね。

 

このピアノは、午前9時から午後6時半まで利用できます。

8月31日まで設置され、利用状況を検証して、設置の継続を検討するといいます。

 

 

それにしても、このストリートピアノという発想は、どこから始まったのでしょうか。

諸説がありますが、2008年3月イギリスのバーミンガムが発祥の地とも言われています。

「Play Me, I’m Yours(私を弾いて。私はあなたのもの)」というプロジェクトです。

捨てられそうな古いピアノが一人称の「私」です。情に訴えかけるキャッチフレーズですね。

「古いピアノである私を捨てないで」と訴えているのです。

この時、バーミンガム市の街中に15台のピアノが置かれ、人々が演奏したのです。

その後、10月にブラジル・サンパウロ、2009年1月にはオーストリアのシドニーと世界に広まったのです。

世界中の人が、ピアノで人と人とのつながりを求めたのです。

私はそれは時代背景もあると思います。

2008年と言えば、9月にリーマンショックが起きました。

世界で、貧困層が急増。弱肉強食の資本主義がぐらついたのです。

古いものを捨て、新しいものを購入する。

そんなやり方に、人々は疑念を抱くようになりました。

そんな時代を背景に、ストリートピアノは急増したのではないでしょうか。

 

さて高岡市です。これを機に私は、高岡市をストリートピアノの街にしたいと思っています。

今後、学校の統廃合に伴って、使われなくなったピアノはどんどん増えます。

屋根のある場所に、どんどん古いピアノを置けば、

高岡市のイメージも大きく変わります。

「MOTTAINAI」と「Play Me, I’m Yours」。

私は横文字を使うのは嫌いですが、この2つの言葉は大切にしたいと思います。

 

 

 

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