倒産件数、高岡で見えたこと
以前もお伝えしましたが、
2021年度の国内企業の倒産件数には驚きました。
5980件で、実に57年ぶりの低水準です。
今倒産件数が低いのは、コロナ禍で、政府や銀行が必死になって企業の資金繰りを支援しているためです。
「ゼロゼロ融資」です。
コロナで売り上げが減った企業に対し、実質無利子・無担保で融資しているのです。
富山県はどうでしょうか。東京商工リサーチによれば、倒産件数は64件。
こちらは、過去20年間で最も少なくなっています。
富山県でも、全国と同じように、ゼロゼロ融資の影響で、倒産件数が抑制されています。
詳しく見ると、倒産した64件のうち、50件は販売不振が理由となっています。
「不況型倒産」が大半なのです。
従業員別では、「5人未満」が43件、全体の67・2%を占めています。
業種別では、飲食店含む「サービス業」が25件、「小売業」9件と続いています。
私が驚いたのは、高岡市の倒産件数が多いことです。
地域別では「富山市」が32件とトップですが、「高岡市」が19件、「射水市」4件、「砺波市」3件と
続いています。
東京商工リサーチの担当者も警鐘を鳴らします。
「経済規模で見れば、高岡市の倒産件数は多い」と指摘した上で、
ゼロゼロ融資の支払いが始まることや原材料高を踏まえると、
高岡市の今後の経済状況は楽観視できないというのです。
私が企業を回っても、厳しいという声をよく聴きます。
高岡市は今年度予算で、空前の黒字となっています。財政健全化緊急プログラムも1年前倒ししました。
「財政危機のイメージの高岡市からの決別する」―。
高岡市は、浮かれた雰囲気を演出しようとしていますが、
私はもっと冷静になるべきだと考えています。
足元の経済を分析したうえで、危機回避のための策を練るべきなのです。
健全な危機意識こそ、政治や行政に求められています。