「『日本一人負け』戦犯は誰か?」
「『日本一人負け』戦犯は誰か?」という文藝春秋10月号の特集を読みました。
日本経済の低迷の原因がよくわかりました。
さまざな論点から、語られているので、興味のある方はぜひ、全文を読んで欲しいですね。
少しだけ紹介します。
専門家4人で討論しているのですが、
慶応大学教授の安宅和人氏は日本の産業界について30年前からほとんど変わっていないと
指摘しています。
そして、海外の例を挙げています。例えば、ドイツのオンラインバンキング「N26」。
店舗を持たず、口座の申請から審査まですべて完結していますが、
一方、日本のメガバンクは依然として数百の支店を抱え、営業しているのです。
安宅氏は支店はほぼ不要になる時代が訪れると強調しています。
また、自動車産業。アメリカのテスラは、「ギガプレス」と呼ばれる製造方式を採用している。
9000トンの鋳造マシンで、圧力をかけて、おもちゃのクルマをつくるにように、
ワンプレスで仕上げているやり方です。
テスラはこの鋳造マシンを日本企業に発注しようとしていたのですが、
安宅氏によれば、日本企業は断りました。
そして、イタリアのメーカー、IDRAに発注しているそうです。
このイタリアの会社は、中国の電気自動車のメーカーからも発注を受けています。
安宅氏は日本企業が断ったことに関して
「もったいない」としています。
安宅氏は「ギガプレスを可能にしたのは、特殊な合金をつくる材料革新とロボット技術の革新です。これらは日本のお家芸であったはずなのに、
なぜかやらない。日本のモノづくりのスピリッツは本当に廃れてしまったのかもしれない」と嘆いています。
このギガプレスが広まれば、6万社の自動車の下請け会社が不要になる可能性があるのです。
高岡にとっても他人事ではありません。
クルマはおよそ3万点の部品でつくられていますが、
トヨタはおよそ6万社の下請け企業から調達してます。
もしトヨタがギガプレスを導入すれば、
下請け企業が経営危機に陥る可能性があります、
世界は大きく変貌しているのです。
「高岡一人負け」にならないおうに、緊張感をもって、
仕事に取り組みます。