駅で「街分断」解決法は

 

日本では駅で分断されている都市は多くあります。

高岡市もそうですね。

新しく高岡駅ができましたが、南北を通じるのは、駅に入り階段を上って改札のある自由通路です。

万葉ロードと呼ばれています。

私はこの通路でジョギングしています。

北側と南側の風景の違いに、ため息が出ます。

線路が高架されれば、街の風景が一変するかもしれませんと夢想します。

路面電車やクルマ、徒歩で自由に行き来できるからです。

 

高架されれば、街はどうなるのでしょうか。

先日、富山市を改めて視察しました。

 

やはり路面電車が平面で南北接続されているのは、便利でしたね。

富山市もまた駅を境に、南北に分断されていていました。

南側はもともと商業施設が多く賑わっていました。

一方、北側は閑散としていました。

「南北問題」があったのです。

こうした中、路面電車が3年前に南北接続したのです。

それから、街の風景が変わりつつあります。

駅の北側の地価上昇が目立っています。

 

富山駅は1908年にできました。

富山市民が「100年の夢」を実現したのです。

平成14年に市長に就任した森雅志さんが南北接続に意欲を燃やしました。

そのために大事なのは、連続立体交差事業です。

鉄道の路線を高架化することです。もちろん巨額の費用がかかります。

国の補助金は不可欠です。森前市長は積極的に国に働きかけました。

その結果、平成15年度には、国庫補助を受けることが決定したのです。

 

この補助金獲得で、連続立体交差事業の実現が可能になりました。

就任1年余り。森さんの手腕。改めて驚きました。

対象となったのは、

あいの風とやま鉄道線1.8キロ、JR高山線0・7キロ、富山地方鉄道1・0キロです。

南北接続は、街の賑わいにつながっています。

 

南北をまたぐ路面電車の利用者が平日に約2・4倍、休日に約2・8倍に増加しました。

また、北側の地価が上昇し、富山県内で最も上昇率が高かったのは、

北口から徒歩1分の芸術文化施設「オーバード・ホール」に接する商業地です。

前年は1.5%上昇でしたが、上げ幅が一気に広がりました。

 

それでは一体、この事業いくらかかるのでしょうか。

総額421億円です。そのうち鉄道会社の負担は数パーセント。

残る金額のうち、国が半分。県と市が4分の1ずつ負担します。

つまり、富山市は100億円ほど使って、南北一体化を成し遂げたのです。

 

今後、30年、40年先を見据えれば、

費用対効果があったのかもしれませんね。

まちづくりは長い時間がかかります。

森さんは人口減少がいち早く到来すると予想、

30年先を見据えたまちづくりをしました。

 

公共交通と都市計画について、勉強してきます。

 

 

 

 

 

Previous article

日銀新総裁とアフターアベノミクス