子ども食堂にチャーシュー丼300食提供 翔龍物語③

ある時、私が子ども食堂の手伝いをしていることから、浅野さんは「自分も子ども食堂に何かをしたい」と言って、我が家に来ました。

私は、長年にわたって子ども食堂を手掛けている方を紹介。浅野さんは、ポンとお金を出すのではなく、お店で出しているチャーシューを用意。子ども食堂の現場で、「翔龍」の店員がチャーシュー丼をつくりました。およそ300食分の無償提供です。私も現場にいましたが、子どもたちは大喜びでした。

浅野さんは、戦後の混乱期、父親が子どもたちに食料を分け与えていたことを思い出し、子ども食堂のお手伝いをしたいと思ったそうです。

「高岡に恩返ししたい」。閉鎖的な高岡で、ラーメン一本で生き抜いた浅野さん。

当初は大きな店舗でつくってリスクが高いとして懸念する声も多かったといいます。

それでも、誰もやっていないことをやりたいと、浅野さんは決断しました。このラーメンを食べに、県外からも多くの人が来ているといいます。

浅野さんは高岡を元気にしたいという熱い思いを持ち続けられました。高岡市の閉塞感を打ち破るには、やはり、”旅の人”が、必要なのです。従来にない発想に果敢に取り組む人こそが、重要なのです。

さらに「翔龍」に勤めた人が高岡で次々にラーメン店を出しています。

浅野スピリッツは、高岡で広まりつつあるのです。

私は、浅野さんの思いを実現するため、必死に仕事をしなければなりません。