「地域再生は首長次第」石破茂氏の思い

 

私は7月13日開いた後援会総会で、石破茂先生から動画でコメントをいただきました。

石破先生といえば、次の総理に最も近い政治家です。ぜひとも総裁選に勝利していただきいと思っています。

8年前、私のインタビューに答えています。

当時地方創生担当大臣。全国各地を飛び回り、地方創生の“伝道師”でした。当時私が書いた原稿を改めてお伝えします。

 

 

私と会って、石破さんから開口一番飛び出したのは、高岡市の能作克治さんの名前でした。

石破大臣は能作さんにやたらと詳しい。福井出身。新聞社のカメラマンで婿養子として高岡で住みはじめたとした上で、本人から聞いた「すごくいい話」を語り始めた。

「能作さんは婿入りした当時、親子連れが工場見学に来て『しっかり勉強しないとこんな人みたいになっちゃうのよ』という言葉を聞いた。その時、『伝統工芸こそ、本当に素晴らしい仕事だと言われるために、俺は頑張る』と奮起した。当初、ベルは余り売れなかったが、風鈴にすると、爆発的に売れた」という。

 そして、「伝統工芸はダメだと言われていたが、能作さんは“あるもの”をいかに今風にアレンジして、どうやって世界に売るか、そういう発想を持つ人物」と目を細めた。大臣室には、能作さんの作品も置かれている。

「広く、あまねく、みなさまに」という従来の行政の手法は変えなければならないとの見解を示す。地域間格差出る恐れがあるものの、「努力しても、しなくても同じだと、みんな沈む。『悪いのは国だ』。みんなに良い顔をして次の世代に付け回すやり方はもう通用しない」と説明する。

出生率全国ダントツ第一位の鹿児島県伊仙町を例に持ち出す。町長はすべての集落を回って、町の財政状況について説明した。そして、「若い世代にお金はこれだけしか使えません」と説明した。すると、高齢者からは「バスの無料パスはいらんわ」「敬老会の金をつかってくれ」という反応が返ってきたという。

画期的な取り組みをしている地域の共通点は、首長が熱意を持ち、その熱意に、住民が動かされていることだと分析した。「素晴らしい取り組みは人を感動させる」。

「首長はものすごく大事。だれでもいいんだというところは、ダメになっている。一度東京出ている民間の人が傾向として頑張っているケースが多い。外から見て地方はどうすべきかを知っている。こうした人たちは極めて現場主義だ」。

今後の地方創生について現場を踏まえ、総括する。「自治体の中では、『やってやる』と意気に感じるところと、『どうせ何も変わらない』とあきらめるところがある。そのうちとんでもない差がつく。住民は、そういう観点でお住まいの自治体の首長をよくみておいていただきたい」。