「全盲ランナー」から学ぶ走る喜び

 

富山マラソンに出ましたが、完走できませんでした。

20キロ時点で、走行断念しました。

10月22日に、左の足を痛め、足を引きずっての挑戦だったのです。

このところ、階段を上ったり、降りたりするのも手すりにつながって生活していました。

当初、出場自体、やめようとも思いました。

「無理するな」と何人もの人に言われました。

 

しかし、思いとどまったのは、東京の友人たちが

富山マラソンに参観してくれていたからです。

富山の良さを一緒に味わってほしい。そんな思いの参加でしたが、

走りながら、改めて実感しました。

走ってよかったのです。

これまで全く見えなかった風景が走行中に見えたのです。

 

それは、関門ぎりぎりで通過する、最後尾だからこそ見える風景です。

僕と同じように、足を引きずっている人。歩きながら風景を楽しんでいる人。

さらには、障がいのある方が伴走者と一緒に走っていらっしいました。

 

今朝新聞を読んでいて、そのうちの一人、全盲のバイオリニスト、穴澤雄介さんだと、

分かりました。そうなんです。僕が棄権する前、穴澤さんとよく会いました。

20キロも走っているのに、時に、笑顔を見せながら、伴走者の方と走っているのです。

エネルギーいっぱいです。

伴走者の方も優しく声掛けして、2人でランニングを楽しんでいる様子でした。

走る喜びが全身から、見えました。

全盲ランナーに学ばせてもらいました。

ありがとうございます。

そして穴澤さん、完走したと、新聞は伝えています。

生まれつき、目と心臓に障がいがあり、

高校生の時に視力を失い、50メートルを走るのが精いっぱいだったそうです。

おめでとうございます。

それに、すてきな風景、ありがとうございます。

 

マラソンの良さは、やはり、さまざまな人が走っていることです。

速い人もいれば、遅い人もいる。現実社会を凝縮したのが、マラソンです。

途中棄権したからこそ、実感できました。

 

「完走しました」と、自慢はできませんでいたが、

大事な勉強をさせていただきました。

 

 

 

 

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