「生涯現役」が日常風景に
きょうの日本経済新聞の記事に膝を打ちました。「生涯現役」に向けて働くシニア世代が増えているというのです。
そうですね。僕の周りを見ても、65歳以上で働いている人が目立ちます。
僕が就職した30年前とは風景が一変しています。
日経新聞では、総務省が5年に1度実施する「就業構造基本調査」をもとに、算出しています。
それによれば、働いている65歳以上の人の割合は、7月発表の22年調査では、全国平均が25.3%。
これは、前回の17年より0.9ポイント上がり、10年前の12年比では4.0ポイントの上昇となりました。
都道府県で全国トップは福井の30・9%。シルバー人材センターの登録者の中には、98歳の女性もいるといいます。
ちなみに富山県は25・9%。
この記事を読みながら、報道ステーションのデスクだった時の特集を思い出しました。
2008年6月に「定年のない会社」というタイトルで、愛知県豊橋市にある専用機メーカー「西島」を取り上げたのです。
国内の全自動車メーカーに工作機械を納入している会社なのです。
もう15年前ですね。僕はこの会社が定年がないことに着目。当時の部下であるディレクターに取材してもらったのです。
当時、この会社に驚きました。
定年がなく、140人の従業員のうち18人が60歳以上だったことです。
西島の職人のこだわりは、一つ一つの部品にまで及んでいました。
精度をあげるため、74歳の兵藤勝哉さんは3ミクロン(1000分の3ミリ)のわずかな誤差を手作業で削って調整していました。
わずか1分で作業は終了していました。
西島では、各部署でベテランと若手にコンビを組ませました。技術や経験を伝えるためです。定年がないからこそ、できるのです。
2008年の報道ステーションの特集から15年。「定年のない会社」はもっと日常風景になっています。
高齢者がどうやって生き生き働ける社会をつくるのか。「生涯現役」
それは大事なテーマです。
長野県では、高齢者雇用に積極的な企業の認定制度をつくっています。
何ができるのか。考えたいですね。