30年前の誘致では富山が熊本に「勝利」

 

先日、熊本県の前知事、蒲島さんが富山市内で講演した際、

台湾の半導体企業TSMCの誘致について言及、実は7年前に、富山県の財界人が誘致に動いていた秘話を

話されました。

ある財界人は、TSMCに直談判してきたといいます。

結局、熊本が競り勝ったわけですが、

富山が誘致に成功していれば、と、私自身、残念な思いで聞きました。

ただ、これからも大きなチャンスがあると思います。

そのチャンスをつかむ努力は欠かせません。

富山県と熊本県の企業誘致の綱引きで、思い出すのは、1992年です。

私は当時時事通信記者。担当していたアサヒビールの樋口社長から、

突然連絡がありました。樋口さんは、スーパードライの生みの親で、カリスマ経営者。

2人で話したいというのです。

取材話ではく、アサヒ飲料の工場についての個人的な相談でした。

私が富山県出身ということで、入善町について聞きたいというのです。

立山連峰からの黒部川。素晴らしい水の名所だと説明すると、

樋口さんは納得していました。

「富山の入善にしてよかったな」とつぶやきました。

実は、アサヒビールは当初、熊本に工場をつくろうとしていました。

当時の細川知事からの要望でした。

それに、待ったをかけたのは、富山県の中沖知事だったそうです。

中沖知事の情熱的な訴えで、樋口さんは入善だと判断したそうです。

樋口さんは、「中沖さんの熱心さには驚いた」と語っていました。

それから、2年後の1994年に北陸工場が完成。

缶コーヒーの「WONDA」などが製造されています。

ちょうど30年たちますね。

私は今では政治家。毎日、日本経済新聞を隅々まで読んでいます。

経済の変化を実感しますね。

高岡市の経済を活性化するため、

企業誘致などにも取り組みたいですね。