出町ゆずるの幼少期
吹き出し「出町ゆずるってどんな人なの?」
出町ゆずるの幼少期

1964年10月19日、高岡市京町生まれの56歳だよ。
成美小学校・志貴野中学校・高岡高校を経て、早稲田大学政治経済学部政治学科に進学。中3で大手町に引越したんだ。
時事通信社に11年、テレビ朝日に20年勤務して、報道の仕事をしたよ。ニューヨーク特派員、内閣府、日銀、財界などを担当。政治や経済のニュースを追いかけた日々。作家、経済ジャーナリストとして著作もたくさんあるよ。

出町ゆずるの高校時代
吹き出し「今はどうしているの?」
出町ゆずるの高校時代

君はいつも「正面突破」を心掛けてきたよね。今回、東京の職を投げうって、故郷高岡に帰ってきたのもそれゆえだよ。
妻の末期癌がわかって、長男も介護休職、シンガポールにいた次男も妻の介護のために職を辞め、日本に戻ってきた。半年間、家族4人で過ごし、僕たちの手を繋ぎながら昨年9月、妻は旅立ったんだ。
妻の49日が終わった段階で決意した。残された人生は、故郷高岡のために尽くそうと、ね。

4年前の市長選に「でないか?」と言われた君は、評論家から実務家になろうと思ったよね。しかしなぜか「高岡の市長選挙はもう終わった」と実際の市長選挙の半年以上前に言われてしまうんだ。

新聞を読むと「現職の後援会が3選目もさせると決定した」と書いてあった。後援会に名を連ねていたのは高岡経済界・政界の偉い方々。君はそれを見て思ったんだ。

---「高岡に民主主義はないんだ」と。
一部の人が決めれば、それで市長が決まってしまう。

2017年11月驚くことが起きたね。北日本新聞のスクープで、高岡市は40億円の財源不足が発覚。7月に市長選があり、10月に市議会議員選挙があった。このふたつの選挙で、財源不足の話は一切出てきていなかった。このことを知らなかったなら大馬鹿、知っていたなら大嘘つき。どうしてこんな市になってしまったんだと憤ったこと、今でも覚えているよ。

だからこそ必ずや高岡に戻り、高岡を再生させたいと思ったんだ。
その為に、全国で成功・失敗した地域を取材して回ったね。

結果、高岡には今「市民が主役の全員野球の行政」必要なんだと気付いたんだ。

一部の人が全てを決定するやり方ではおかしい。

だから君はしがらみ・なれあい政治をやめ、みんなが主役の高岡で、高岡市がどうあるべきか考えさせてもらいたい。そう決意したんだよね。

高岡にとって、最も大事な問題。「人口減少」について話していくよ。
現在、高岡市の人口は16万8390人。

人口減少の結果、高岡の未来はどうなるんだろう?

2040年の高岡の人口の話をしてみようか。高岡市総合計画によると、20年後の2040年には14万4558人になると書かれているよ。これは実はかなり甘く見積もられた数字。なぜか?現在の出生率は1.5なのに対し、2040年には2.07となっているんだ。

国立社会保障・人口問題研究所は、20年後の高岡の人口を12万6918人と出している。高岡市の数字と比べると2万人、現在の人口からは4万人ほど少ないよね。例えば、福岡・伏木・戸出・中田の地域人口をあわせると4万人。20年後には、この4つの地域の人口がこのまま消滅してしまうことになる。この異常事態があと20年で起きようとしているんだ。

人口が減るとどうなるか?

病院・学校・スーパー・コンビニ・家・商店がなくなる。自治会の費用も大幅に上がるかもしれない。御車山祭りも維持できなくなるかもしれない。
そう遠くない将来のお話し。

何より一番影響が出るのは、道路や水道などの生活インフラだよ。

これだけ急ピッチな人口減少を踏まえると、コンパクトシティにして町を縮めるということは避けて通れない問題なんだ。
ただ一体これをどういうやり方でやればいいのか?地域ごとに拠点を作ってやるのがいいのか、どうするのか?
皆さんと一緒に考えたい、最も大事な問題だと思っているよ。

高岡市を、女性が暮らしやすいまちにしたい。
そこで僕がこだわりたいのは、高岡市初の女性副市長の登用なんだ。
高岡市の18歳から40歳までの人口は男性が19,254人、女性が17,368人(令和2年12月末)。若い世代は女性が約1,900人少ないね。
高岡市全体の人口では男性が81,901人、女性は87,014人。女性の人口が5,000人以上多くなっている。40歳〜80歳を見ても男性が44,388人、女性が46,829人と、やはり女性の方が2,400人以上多いんだよ。

この数字にも表れているように、大人になると高岡市から外に出ていく女性が増えるんだね。実は今高岡で女性が生まれる数も少ないんだ。平成25年〜令和2年(8年間)の出生人口は男性4,777人、女性4,482入。約300人の差があるよ。
そこで僕は「女性に、高岡市に残ってもらいたい」と思ったんだ。
それには高岡が女性にとって暮らしやすいまちであることが必須だよね。

女性副市長の登用の例をひとつ。大阪府四條畷市では、東(あずま)市長が「日本で一番前向きな市役所を作ろう」とモットーを掲げ、女性副市長を公募したんだ。女性目線の行政で役所内を同じ方向に向け、子育てに関してはプロジェクトチームを作り、政策をとりまとめた。別の部署同士で連携が取れると効率もアップする。結果、平成30年には9年ぶりに人口が増加したんだよ(今の高岡市は1年間に1,000人ずつ減)。女性副市長の登用で結果が出ているんだ。

僕が思うこと。僕ができること。今まで女性は表舞台に立つより、男性社会の舵取りが多かった。でも女性の能力はとても優れているんだ。女性の能力を引き出す上で、尚且つ副市長という責任ある立場についていただけば、高岡市全体が変わる。必ず変わる!そう、僕は確信しているんだ。

「2万円って適当な数字を言ってる?」
そう思う人もいるかもしれないね。まず、その説明をしたいと思うよ。

高岡市の平均年収は289万円。対して、富山市の平均年収は315万円。
その差は26万円。月にするとおおよそ2万円くらいになるね。
高岡市民の年収を富山市並みにしたい。これが僕の大きな目標なんだ。

ちなみに高岡市は現在県内で6位。1位は舟橋村、2位富山市、3位滑川市、4位黒部市、5位射水市ときて、その次だ。市町村別で、高岡はずいぶん下の方だね。

高岡は、そもそも皆さん豊かだった。1975年、僕が11歳だった頃の全国年収ランキングでは高岡市は富山県でナンバー1。高岡市139万円、富山市137万円で、富山市よりも上だったんだよ。県内で最も稼げるまちだった。
実力があるはずだったんだ。

—高岡は稼げるまちなんだ!

高岡市の給料をUPさせる。どうやって給料を上げるのか?疑問に思われるかもしれない。でもいろいろなやり方があると思うんだ。
総合的なやり方の中でも、僕は大企業を高岡市に呼びたいと考えているよ。

次回、その話について詳しく説明していくね。

前回、大企業を高岡に呼びたいと書いたけれど、その続きを話していくね。僕が考えているのは、大企業の本社移転なんだ。
「本社移転でどうして給料が上がるの?」って不思議に思うよね?
本社が移転することで、人が増える。人が増えると、そこには様々な経済の動きができるんだよ。
例えば今、パソナという東京の企業が淡路島に本社機能を移転しようとしている。1,800人が現在の本社に勤務していて、2023年には1,200人が移住する。そうなれば淡路島の経済は明らかに豊かになるよ。
個人消費が一人200万円だとしよう。個人消費200万円×1,200人=24億円。
淡路島の24億円は地元のスーパー、飲食店、美容院、住宅、地元医院や病院、色々なものに波及していくよ。本社機能がポンッとくることは、これくらい大きな影響力があるんだ。

そこで僕ができること。長く経済記者をやり、経団連にもいて大企業の経営者とは未だに深いパイプがある。この人脈を高岡のために使っていただきたいんだ。

もうひとつ。企業誘致には自治体トップの情熱が必要なんだ!これを教えてくれたのは「スーパードライ」の生みの親であるアサヒビールの樋口廣太郎元社長。当時アサヒビールは熊本県にジュース部門の工場を作ろうとしていた。が、僕に「相談がある。富山に移そうかなと思っている」と。中沖豊元富山県知事が「富山に工場を作って欲しい」と猛烈に売り込んだそう。樋さんは「中沖さんの情熱に負けた」と仰っていたんだ。結果、アサヒ飲料の工場は富山県の入善にできた。トップの情熱。これが大切になんだよ。
今、高岡の方に伝えたいこと。僕の東京の経済界で培った人脈と、僕の情熱を最大限に使っていただきたいんだ。

全員が主役の行政がやりたいと、ずっと想ってきたよ。
今高岡市の有権者は男性66,681人、女性74,813人、合計143,494人。内、選挙に言っている人の数は.....。
平成28年の参議院選挙では高岡市の投票者数は男性38,580人、女性40,370人、合計78,950人。投票率は5割を少し上回るくらいで、高くはないよね。
その中でも若者の投票率は
18歳の有権者1,574人に対し、投票者数719人。投票率は45.68%
19歳の有権者1,542人に対し、投票者数535人。投票率は34.7%
若者の投票率を引き上げたい。若者に政治への関心を持ってほしい。もっと自分のまちについて考えてほしい。新しい高岡には絶対に必要なものなんだ。

今回は「若者議会」について話すね。これはよくある模擬議会じゃなくて、実際に若者が予算を決めるんだ。
愛知県新城(しんしろ)市では実際に行われているよ。「人口減少が激しい。だからそれに歯止めをかけるためには若者が必要」との考え方で「若者の力を活かすまちづくり」を実現している。
新城市の若者議会は実際に予算の提案権を持ち、予算の使い道を若者自らが考え政策立案するんだ。若者議会の委員は16歳〜29歳までのおよそ20人。
3月に募集をかけ5月に所信表明、8月中間報告、11月市長答申、3月に市議会で予算案が承認されれば次年度から市の事業として実施される。予算額は1,000万円で、委員には3,000円の日当が支払われる。ちゃんとした役職なんだ。

僕ができること。若者の意見を行政に取り入れることによって未来に向けたまちづくりや市政運営ができる。高岡をもし一度出ても、いずれUターンし、他の若者たちがIターンしてくる。そんなまちづくりをするために「若者議会」を是非やろうよ!

北陸地方は全国的に見ても共働きが多いところ。
1位は福井県、2位が石川県、4位が富山県だよ。ふたつにひとつの家庭はお父さんもお母さんも働いている環境なんだね。女性管理職の比率と言うとおおよそ10%程度。富山県は54%の共働き率なんだけれど、非正規の職員・従業員の割合を見ると男性が9.6%、女性は37.9%。女性の非正規雇用が多いね。こうした富山県の状況だけれど、とりわけ深刻なのは高岡なんだ。
高岡市の平均世帯年収は526万円で、富山県内15市町村の中で14位。この数字を見る限り、経済力がある高岡は遠い昔のことのように思われるね…。
女性の管理職の比率はどうなのかな。令和3年4月の高岡市役所の女性管理職比率を見てみると……。部長0人、次長0人、課長18人で28.6%、副課長18人は52.9%、係長40人36.7%だよ。僕は女性の非正規雇用率を下げたり、管理職比率を上げることは女性の世帯収入のUPにも繋がる、とても大切なことだと思う。

女性の管理職比率を上げたことで有名な会社がある。「かっぱえびせん」の「Calbee(カルビー)」だ。カルビーの前社長、松本晃氏は女性の能力を活かすことで、売り上げをドーンとUPさせたんだ。そして8年間で女性の管理職比率を4倍に。同時に働き方改革も進め、時間ではなく成果を求めるダイバーシティ戦略へ。効果的なリーダーシップ・マーケティング・ガバナンス・人材プーリングがすごくうまく機能して業績UPに繋がったんだ。
高岡市にも女性が活躍している企業がある。急成長している鋳物の「能作」も従業員150人の内、女性はなんと90人。女性管理職比率になると55%なんだ!これはすごいことだよ。

僕ができること。高岡市職員の女性管理職比率をUPさせる!これは高岡市役所だけでなく、民間企業にも広げていたい。そうして世帯年収自体が上がるといろんな勉強をされた女性の、高岡へのUターンやIターンが増える。仕事も生活も充実させられる暮らしやすい環境づくりが、同時に必要になるんだ。