「玉音放送」と高岡出身の大橋八郎
半藤一利さんの名作「日本のいちばん長い日」を手に取りました。
その主要人物索引の中に、大橋八郎の名前が10回出てきます。
この大橋八郎は、高岡出身です。山町筋に胸像があります。
どんな人物だったのか。
終戦時期の日本放送協会の会長です。今のNHK会長です。
その仕事として後世に伝えられるのは、
玉音放送の収録に立ち会ったことです。
それは、1945年8月14日午後11時すぎ。
昭和天皇が宮内省2階で収録するため、
いらっしゃいましたが、その現場に、大橋八郎がほかの幹部職員や政府関係者と
一緒に立ち会ったのです。
しかも、この録音盤を、陸軍の反乱将校らが奪取しようとしていました。
そして、大橋会長らは15日未明に、彼らに捕まったのです。
反乱将校は、大橋会長に銃剣をつきつけながら、
「録音盤を持っているだろう」と詰め寄ったのです。
結局、録音盤は別に保管され、難を逃れましたが、
もし大橋会長が持参していて、奪取されたら、と
思うと、背筋が寒くなります。
それにしても、高岡出身の大橋は大きな仕事を成し遂げたのです。
大橋八郎は東大法学部卒業後、逓信省に入省。その後、貴族院議員となり、
内閣書記官長(今の官房長官)などを歴任。
高岡市の名誉市民にもなった人物です。