高岡震源の地震、可能性は 東大地震研所長に聞く
昨日開催した東京大学地震研究所所長、古村孝志さんのオンライン講演会はかなり刺激的でした。古村さんは、高校時代の1つ上の先輩です。私がテレビ朝日の報道番組の責任者だった時、古村さんには何度も出演していただきました。小矢部市出身。
最大の関心事は、高岡市、そして富山県で今後、地震が起きるのかどうかです。能登半島地震を経験しているだけに、市民は興味津々でした。古村所長は日本列島で暮らす限り、地震はどこでも起こると強調。立山が富山県を守ってくれると言うのは、都市伝説にすぎないのです。
古村さんがまず、強調したのは、世界に大地震の1割が日本で起きていることです。日本の活断層でわかっているのは2000本。わかっていないものは、数万本あるといいます。つまり「活断層の存在が知られていないところでも、大地震は起きる」というのです。新潟・神戸の歪み集中帯には、富山がすっぽり入っているのも懸念材料です。南海トラフ地震や首都圏直下型地震ばかり強調されているのは、経済的な影響が大きいからで、富山県も油断できないというのです。
近年、新潟県や能登半島などを震源とした地震が起きていますが、挟まれた富山県ではなぜか起きていません。いつ起きたのでしょうか。
直近では1858年の飛越地震です。立山連峰の2つの山が崩壊。土石流も発生しました。地震の後、常願寺川が暴れ川になったそうです。影響は今も続いています。砂防事業にあと100年かかります。
それに1586年には天正地震が起きています。福岡町にあった木船城は、天正地震で崩壊しています。
1586年、1858年。次はいつ地震が起きるのか。古村さんをもってしても、いつ起きるのかはわからないのですが、今富山県で発生が心配されているのは、邑知潟断層帯の地震です。この地震はマグニチュード7と予測されています。
古村さんは地震の危険度は日本ではどこも同じだと強調。南海トラフや首都直下だけではないとしています。このため、我々ができるのは、地震に備えて耐震化をすることや家具を固定化することだとしています