生活保護世帯の大学進学率、富山県は最低

 

富山県は教育県と言われます。

そう思い込んでいた私は、昨日付の日本経済新聞の報道に

驚きました。

生活保護世帯の高校生の大学などへの進学率は全国47都道府県で最低だったのです。

富山は16.7%。

トップは新潟の49.2%。石川は4位の47.4%。

隣県の新潟や石川に比べて3分の1ほどなのです。

 

研究者らがメンバーの市民団体「生活保護情報グループ」が厚労省に情報公開請求し、

都道府県ごとの進学率をまとめたものです。

記事によれば、

生活保護世帯以外では、大学などへの進学率が75・2%に達しています。

 

それにしても、

富山県はどうして新潟や石川に比べて、

大学進学率は低いのでしょうか。

記事は「困窮家庭を支援する団体や大学が近くに少ないといった違いによって地域差が生じているとみられる」と

指摘しています。

理由はぼんやりしています。全体的な傾向を触れているだけで、

富山県の低さの理由はよくわかりません。

今後、私自身、もっと詳しく取材する必要がありますが、

数字だけをみれば、「貧困の連鎖」が最も深刻なのは、富山県ということになります。

貧困を抜け出すために、大学に進学しようと思っても、

できない現状が富山県にあるのです。

深刻だと思います。

「子どもの貧困」という深刻なテーマ。

現状を多面的に分析し、対策を打ち出したいと思っています。

これだけ進学率の格差があると、やはり、自治体の力が大事になっていると、思います。

 

ちなみに、生活保護法では、大学などへの進学を原則的に認めていません。

18歳で高校を卒業すると、働いて収入を得ることが求められるのです。

進学するには生活保護を利用している親と同じ家に住みながら、

子どもだけ生活保護の対象から外れる「世帯分離」をする必要があります。

ただ、この場合、世帯の生活保護費は、月5~6万円減ります。

このため、多くの子どもたちが、親のことを心配して、

進学を諦めるのです。